Picklestone
Picklestone は、漬物という日本の原始的な保存文化を、現代の生活構造に再実装するために生まれたプロダクトです。
私たちが着目したのは「漬ける」という行為そのものが持つ、時間・発酵・待つこと・手を動かすことといった、人間の感覚を静かに呼び戻すプロセスでした。
Picklestone は単なる保存容器ではありません。
キッチンに置かれたその佇まいは、食を“消費”から“関係性”へと引き戻すための装置です。
日常の中に発酵という時間軸を組み込み、人の生活リズムを内側から整えていく。
デザインと機能、そして食文化を一体として再設計することで、Picklestone はプロダクトでありながら、
生活文化そのものを更新する小さなシステムとして存在しています。
それは食べるための道具であると同時に、人がどう暮らしたいかを問い直すための、静かな提案です。
Project Overview — プロジェクト概要
Picklestone は、株式会社田中大介のクリエイティブ・システム事業部が、ブランド Nutmeg とともに開発した新しい漬物ポットのプロダクトラインです。企画、プロダクトデザイン、パッケージ設計、EC サイト構築、ブランドコミュニケーションまでを一貫して担当しました。
「漬物」という日本に古くから存在する発酵文化を、現代のキッチンスケールと生活リズムに合わせて再設計する。それが Picklestone の出発点です。冷蔵庫のポケットに収まる円筒型のガラスポットに、独自の押し石構造を組み合わせ、余った野菜と塩だけで誰でも手軽に浅漬けから本格的な発酵漬物まで楽しめるように設計しました。
Approach — アプローチ
プロダクトデザインでは、ポットの直径・高さ・容量を一般的な冷蔵庫ドアポケットの規格から逆算し、1人分の Picklestone115、2人分の Picklestone150、4人分の Picklestone220 という3サイズを展開。牛乳パックやドレッシングと並べて収納できる寸法に統一することで、「特別な道具」ではなく「毎日のキッチン道具」として位置づけました。
ビジュアルアイデンティティは、和の保存文化が持つ静けさと、現代のミニマルな生活空間の両方に馴染むよう設計。ガラスという透明素材と、重しとして用いる石の素材感をロゴ・パッケージ・EC ビジュアルまで一貫して表現しました。派生シリーズとして、乾物出汁や冷茶を抽出する T-Unit150 を開発し、「Picklestone = 発酵を日常に実装するキッチンシステム」へとブランドを拡張しています。
Outcome — 成果と広がり
Picklestone は、プロダクト単体ではなく「発酵を通じて生活リズムを整えるシステム」として育ち、派生レシピ、冷凍カレー、関連ツール、EC、コンテンツ発信までを束ねるブランドへと展開しています。キッチンに置かれたガラスポットは、食を「消費」から「関係性」へと引き戻す装置として、食品ロス削減や家庭内の発酵文化の再興にも静かに貢献しています。
「漬ける」という待つ行為が日常に戻ることで、冷蔵庫の余り野菜、時間の使い方、食卓の会話までがゆっくりと変わる。プロダクトデザインが生活文化の再構築につながることを実証した、私たち自身にとっても原点となる事例です。
関連サービス・関連プロジェクト
- クリエイティブ・システム事業部 — プロダクトデザイン/ブランディング/EC開発の受け口
- Picklestone220 商品ページ — 4人分サイズ(冷蔵庫ドア対応)
- Picklestone150 商品ページ — 2人分サイズ
- Picklestone115 商品ページ — 1人分サイズ
- T-Unit150 商品ページ — 冷水出汁抽出シリーズ
